バイキンマンの逆襲2
「バイキンマン、それでも君、僕の敵なの?」
「あはは。弱くて可哀想になってくるよ」
くそぅ!最近の俺様はなんだかとっても弱っちぃのだ!
アンパンマンの敵なのにっ。どうして??
こうなったら奥の手なのだ!!(はよ出せ
薄暗いラボの中で、白衣を着たバイキンマンはフフフと不適な笑みを浮かべてフラスコをぶくぶく言わせていた。
「ふふふのふ。完成なのだ」 早っ。
もう手順がどうとかどんな仕組みだとかそんなしょうもないことを説明している暇はない。
バイキンマンは試験管に満たされた、見るからに怪しげな液体を、腹をくくって一気飲みした。
「バイキンマンー。おなかすいたぁ〜」
台所で騒ぐドキンちゃん。程なくしてパタパタと足音が聞こえ
「はいはい。今すぐ作るから」
「いやぁぁぁ――っ!!誰っ!?変質者――っ!!!」
見たこともない青年がドキンちゃんの前に現れた。
「へへん。俺様はバイキンマン(攻めバージョン)どう?かっこいい?ドキンおぶっ!?」
仰天したドキンちゃんにまな板で殴られた。
ドキンちゃんにはびっくりされたけど(その上殴られて最後まで信じてもらえなかったけど)
おっきくなった俺様ってなかなかだろ?
足も長いし手も長いし、白衣だってずるずる引きずらないのだ。
アンパンマンと同じくらいの身長で、きっと腕力も同じくらいなのだ。
俺様の方が賢いからアンパンマンに負けないのだ。
もう、女の子にモテモテでドキンちゃんもメロメロで
その上、アンパンマンだって…。
「あ、カレーパンマーン」
町でカレーパンマン(勝手にお友達気分)を見つけたバイキンマンは、この勇姿を自慢しようとぽてぽてと近寄った。
「…だれだ?」
不信感をあらわにするカレーパンマンにバイキンマンはふふんと笑って
「俺様俺様!」
えっへんと胸を張った。カレーパンマンはしばらくぽかんとしていたが
「何!?オレオレ詐欺!?古っ」
変なリアクションをした。
「ちっ…!違うのだっ。バイキンマンなのだ!!」
バイキンマンは叫んだ。するとカレーパンマンは馬鹿じゃねぇの?とでも言いたげに
「馬鹿カバヤロー。バイキンマンはもっとちっこくて可愛くて抱きしめるとこうぎゅっていうかきゅっていうかいい感じなんだよ。
てめーみたいな…白衣…白衣美人?とはタイプっつーかジャンルが違うんだ」
カレーパンマンの裏の素性を知ったバイキンマンはちょっとショック。
ぽかんとしているとカレーパンマンはロールパンナちゃんを見つけてどこかへ行ってしまった。
「な…なんなのだ…」
動揺しながらも、バイキンマンは本来の目的を思い出し、トテトテと歩きだす。
しばらくすると
やたら女の子が集まっている場所があった。
間違いない!奴だ!!
目を凝らして見ると、女の子に囲まれてにこにこしているアンパンマンがいた。
(よっしゃー!)
バイキンマンは喜び勇んでその輪の中に入っていった。
ぶつかった女の子が悲鳴を上げる。
いつも吹き飛ばされるのはバイキンマンだけど、今日は譲れない。
「アンパンマン覚悟ぉ!」
振り上げる拳。あぁ漢。
「っだ!!危ないなぁ、君。いきなり殴りかかるなんて!」
う、受け止められた…。しかも片手で。
「あんた何すんのよバカー!」
「アンパンマンの顔にキズがついたらどうするのよー!」
その上女の子にギャーギャー非難されて、バイキンマンはタジタジ。
これはまずいと思って、一時撤退。
「む…計算外だったのだ」
おっきくなっても、バイキンマンはアンパンマンに勝てない。身体能力の差がありすぎた。
じゃあいつもの姿で抵抗しようとしまいとどっちみち関係ないじゃん!ということは気づかないフリをした。
うまくいかないものなのだ〜…。
とバイキンマンが落胆していると、目の前を白髪の紳士(職業パン職人・その他)が買い物の途中なのか重たそうな袋を抱えて歩いてきた。
何気なく見ていると、少し躓いて袋からポロリと何かが落ちた。
けれどおじさんは気づかない。
「おい…何か落ちたのだ」
バイキンマンが拾ってあげると それは。
ザ・ハンマー
ありがと〜!! おじさぁ〜ん!!!!(感涙)
バイキンマンは鈍器を持って再度アンパンマンに殴りかかった。
むしろ飛び掛る勢いで殴りかかった。
「起きるのだ」
唇に感じるあたたかな感触。(と、ズキズキする頭)
アンパンマンは心地よい柔らかさ(と痛み)で目が覚めた。
この感触は…!
「バイキンマンっ!」
「おっ。起きたのだ」
目に飛び込んできたのは顔を至近距離まで近づけて、にやりと笑みを浮かべる知らない男。
「誰だっ!!!」
アンパンマンは驚いて身を起こす。
が、体はロープでぐるぐる巻きにされていて手は使うことができない。
場所は…キングサイズのベッドの上?
部屋は一通りの家具しかなくて、テレビと小さなテーブルが隅に置いてある。
アンパンマンは事態を飲み込めず、押し黙った。
「だからー俺様なのだ。バイキンマンなのだ」
どうしてこうも気づかないのだ??
アンパンマンを殴って気絶させたときも、騒ぐ女の子に一睨みしたら急に逃げ出したし…。
そんなに怖い顔なのか…??
知らない男(悔しいことに、割と見目は良い)はアンパンマンの反応なんて気にせずぶつぶつ言う。
「俺様なのだ〜…」
バイキンマンはちょっと弱って情けない声を出した。
「…はっ。嘘つけこの犯罪者めが…」
「うぉっ」
改めてアンパンマンが本気で怒った姿は結構怖いなと思うバイキンマンだった。
眉一つ動かさず、目で殺気を放ってくるアンパンマンは正義の味方というより殺人者みたいだ。
(ん…?じゃあいつもは手加減してくれてるのか?)
今頃気づいた嬉しい真実。
「案外いい奴なのだ〜…」
突然にへら〜っと笑うバイキンマンに、アンパンマンは蔑んだ目をしてみせた。
「とにかく、今日は今までのお返しをさせてもらうのだっ!前は失敗したしな…(バイキンマンの逆襲参照)」
「どこの誰かは知らないけど、僕はまっとうに生きてる人からは恨みを買わないんだよ。
僕に復讐する前に生まれてきたことを後悔したら?僕に喧嘩売るなんて猿…いや、プラナリア以下の脳みそじゃない?
来世は賢く生まれてくるといいね。」
「むーっ!!つくづくムカツク奴なのだ!!今の自分の状況を思い知れなのだ!!」
バイキンマンはムキーっと怒ったが、やはり口先ばかりで身動きは一切とれないアンパンマンに勝ち目はないと知って、勇気を取り戻した。
ちゅう。
「へへへのへ♪」
唇にふわりと落とされる軽いキス。
それは柔らかくて、温かくて、アンパンマンのよく知っている誰かと似ていた。
一瞬だけ、アンパンマンの攻撃の眼差しが弱まる。
「アンパンマン…」
へらへら笑っていた顔が急に切なそうな顔になり、腕が伸びてきてぎゅっと抱きつかれる。
普段、男に抱きつかれて喜ぶどころか殴り倒し蹴りまくって制裁を与えるアンパンマンだが、不思議と悪い気持ちはしなかった。
体温が心地よいのと、男の顔が綺麗だからだろうか。
アンパンマンは落ち着いて男の顔を眺めてみた。
さらりとした艶のある黒髪に、同じく真っ黒で長い睫が切れ長の目の周りを縁取っている。
肌はすべらかで透明感があって、薄い唇は、優しいピンク色をしている。
そして華奢だが貧相ではない体躯。
手足は長くてスタイルは良い…。身長は同じくらいだろうか。
アンパンマンと同じくらいかもしくは少しスマートな体系なのに、顔や体の造作はいちいち繊細で、同姓とは思えないほど「美人」という言葉が似合っていた。
着ている服は黒のカッターにジーパンで、シンプルだが。
(バイキンマンが大きくなったら、こんな感じかな…)
ちょっとだけ、愛しい人と姿がかぶってアンパンマンは男の肩口に鼻先をうずめた。
「…バイキンマンと同じ匂いがする」
「変態っ!」
男はちょっと赤くなってがばっと身を離した。
その恥ずかしがり方といい…本当に…。
「バイキンマン?」
「なんなのだ?」
覗き込んでくる黒く澄んだ瞳。
小首をかしげて、ちょっと間の抜けた感じに開いている口まで、そっくりだ。
「…本当にバイキンマン?」
「さっきからそう言ってるのだ!!俺様がやったって思わないと意味がないのだ〜!」
やっぱり本当みたいだ、とアンパンマンは思った。
おそらく、薬かなにかで大きくなったんだろう。
だが、アンパンマンを殴ったのは許せないし、第一バイキンマンだと知ったら、アンパンマンはおちょくりたくなってしまうのだ。
これはもう本能だ。
アンパンマンはちょっと考えるフリをして、
「でもやっぱり信じられないから…。昨晩僕がバイキンマンに無理やり言わせた言葉を言ったら信じてあげるよ」
と真面目な顔をして言った。バイキンマンはがちょん!と効果音が出そうな顔をして、しばらく黙った。
「信じるの、やめよっかなぁ〜…」
「……『入れて』」
バイキンマンは顔を伏せながら呟いた。
「……」
けれどアンパンマンは観察するようにバイキンマンを見ているだけだ。
「あ、あれっ!?違った!?えーと…えーと…じゃあ…『動いて』?」
「……」
「わ、わからないのだ〜…。あ、『アンパンマンの…熱くて太いのをもっと…』…?」
バイキンマン、赤面しまくり。
「あはははっ」
「な、なんで笑うのだ!?」
「いや〜、可愛さは変わらないなと思って」
「なんなのだー!!」
バイキンマンは地団駄を踏んで悔しがった。
「あぁ、ごめん。今は可愛いって言うよりも、美人って言った方がいいね。綺麗だよ、バイキンマン」
「ど、どっちにしても褒め言葉じゃないのだ…」
バイキンマンはちょっと疲れてぺたんと座り込んだ。
アンパンマンはひとしきり笑ってから、ちょっと真面目な顔になって
「じゃあもう結婚できるね?」
「いやなにが『じゃあ』なのか全然分からないのだ」
「結婚しようよ」
「語尾が変わっただけなのだ」
「妊娠させて結婚させるよ?」
「生命の神秘に反するのだ!!(汗)」
バイキンマンが本気でひきはじめると、アンパンマンはくすくすと笑った。
「とっ、とにかく!今日は俺様が全部やるのだ!」
「ふぅん。全部って何…わっ!!」
犬が飛びつくように、バイキンマンはアンパンマンを勢いよく押し倒した。
今日は俺様がアンパンマンを泣かせてやるのだ!!
「舌…出して」
いつも以上に色っぽいバイキンマンの声で、優しくお願いされる。
そんなことをされたらアンパンマン以外だって従わざるをえなくなってしまうだろう。
「んっ…」
頬を少し赤らめつつ、舌を絡めてディープキスを仕掛けるバイキンマン。
それが、意外にも巧くて様になっていることにアンパンマンは驚く。
初めての女の子だったら、間違いなく骨抜きにされるようなキスだ。
「…感じてる?」
少し掠れた声で、熱っぽく耳元で囁くバイキンマン。
感じてるのはむしろ君の方じゃないかとアンパンマンは苦笑したが、ここはバイキンマンの名誉のために「すごく感じてるv」と答えてあげた。
しかし、感じていたのも事実なのだ。
「ここ…触って欲しい?」
続いて、バイキンマンはアンパンマンのズボンの上から前の膨らみを指でなぞってゆっくりと微笑む。
さながら高級娼婦のよう。
やばい、と思いつつも、アンパンマンの下半身には血液が集中しはじめ熱を帯び始めてきた。
「アンパンマンの…熱くなってる…」
アンパンマンの首筋に舌を這わせながら、バイキンマンはアンパンマンのズボンのチャックを下ろして中に手を滑り込ませる。
「おっきぃ…」
竿を指でなぞって、バイキンマンはうっとりとした表情でアンパンマンを見上げた。
かつてこんなに乗り気で色っぽいバイキンマンがいただろうか。
アンパンマンがそういうことをしようと誘うと断って最後には何故か強姦のようになっていたり、アンパンマンのアレを見てびびったりしていたバイキンマンが、こんなに積極的に行為をしようとは。
「ここは…?ね、ここ気持ちイイ?」
「うん…いいよ…」
先端や竿、さらにその下の袋まで指で丁寧に愛撫をするバイキンマン。
しばらくしてくちゅくちゅといやらしい音が漏れ始めてきた。
先走りが滲んできたのを確認したバイキンマンは
「んっ…む」
何のためらいもなくそれを口に咥えた。
「バイキンマンっ!?」
アンパンマンがびっくりするのも気にせず、バイキンマンはペロペロと子供がアイスでも舐めるかのように舌を使う。
「ふっ…むぅ…」
ペロペロとやがてちゅくちゅくに変わり、竿全体を味わうかのようにバイキンマンは舌を動かしはじめた。
さらに、バイキンマン自身の腰も微かに揺れ始め少なからずバイキンマンも感じているようだった。
「…く、…っ」
はじめは感触を楽しんでいたアンパンマンだったが、思いのほか巧くなっているバイキンマンの舌技に次第に余裕がなくなってくる。
「だめだ、バイキンマン――っ!」
アンパンマンが身じろいだせいでバイキンマンの口からアンパンマンのものが離れた。
「ぇ…?――ひゃっ」
離れた瞬間、アンパンマンの雄から精液が
「…かかっちゃった…」
ほっぺたにどろりと垂れる白濁の液をつけたまま、バイキンマンは困ったようにアンパンマンを見る。
「…全くなんてエロい顔してるんだ」
アンパンマンは苦笑するしかなかった。
あぁ、この縄(前回よりもしっかり結ばれている)さえなかったら、バイキンマンをおいしく食べてあげられるのに。
「これからが本番なのだ」
バイキンマンは、そう言って、アンパンマンの服を脱がせにかかった。
「…バイキンマン」
「なんなのだ」
今更ヤメロって言われても、やめないのだ。
今日は徹底的にやるのだ。
途中でわからなくなったりしないのだ。
…多分。
「…バイキンマン愛してるよ…っ」
バイキンマンの肩をがばっと抱きしめてアンパンマンは叫んだ。
バイキンマンはアンパンマンの腕の中できょとんとした。
きょとんとしてわずか0.5秒後。
「ぎゃ―――っ!!何故お前動けるのだ!!」
絶叫した。
「ふふふ…。僕を殴って気絶させて。そしてこんなところでエッチなことをしようだなんて…。悪い子にはお仕置きだね♪」
「ひぃぃっ。ごめんなさい、ごめんなさい〜」
「だぁめv」
→でも俺様だって強くなったのだ!!
→やっぱりアンパンマンには勝てないのだ〜;
←戻